ドイツがF1バブルに沸いている。世界最速兄弟の地元対決に沸いたヨーロッパGP(ドイツ・ニュルブルクリンクで開催)は、ドイツ国内のF1視聴率が最高で70%を超え、TVはほぼ全日を通じてF1を放映していたという。この史上空前のF1バブルぶりは日本のF1バブル時代など足下にも及ばない騒ぎだ。
この、現在のドイツ国内のF1ブームを引き起こした仕掛け人は誰かと問われたら、それは間違いなくミハエル・シューマッハ。1991年ジョーダンから衝撃のデビューを果たして以来、M.シューマッハの活躍は、それまでテニスやサッカーといった他のスポーツに関心が向いていたドイツ国民の視線を一気にF1へと向けさせた。94年、95年とワールドチャンピオンを獲得したことで、ドイツ国内ではシューマッハブームが到来。M.シューマッハがフェラーリに移籍すると、そのブームはピークに達した。
しかし、フェラーリに移籍してからは、毎年チャンピオン争いこそ展開するのだが、念願のチャンピオンを取るには至らず、ドイツ国内のシューマッハブームも一息つくようになった。1999年はイギリスGPでの事故が原因で地元GPではテレビでコメントを残しただけだったので、ドイツ国内の人気も沈静化したように見えた。だが、その裏ではドイツ企業のF1熱がどんどん高まっていた……。
>つづく