【熊野学の技術詳説】『フィット』---エンジンコンパクト化技術のすべて | レスポンス(Response.jp)

【熊野学の技術詳説】『フィット』---エンジンコンパクト化技術のすべて

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エンジンの軽量・コンパクト化は、吸排気レイアウトの変更、ロングストローク化、ボア間寸法の短縮、カムシャフトのチェーン駆動などで達成された。

前後長のコンパクト化に最も貢献したのは、樹脂製インテークマニフォールドだ。シリンダーヘッド前面に取り付けられるインテークマニフォールドは、サージタンク部がシリンダーヘッドの上に位置し、長い吸気管長を確保しつつ前方への張り出しはほとんどない。このようなサージタンクの配置はエンジンの全高を高くするが、全高の高いフィットはエンジンフードも高く、エンジンはその下に無理なく納まっている。

エンジン幅のコンパクト化は、ロングストローク化、ボア間寸法の短縮、カムシャフトのチェーン駆動などにより実現された。ボア・ストロークはφ73×80、従来エンジンのφ75×76よりロングストロークであり、『インサイト』の3気筒エンジン(φ72×81.5)とほとんど同じだ。

このスモールボアと、遠心鋳造スリーブによる短いボア間寸法の組合せがボアピッチを短くした。遠心鋳造スリーブは外面に適当にな凸凹があり、アルミ合金との密着性が高いので、ボア間寸法を短縮できる。

カムシャフトのチェーンは、従来エンジンのベルト駆動に替えて採用された。チェーンは同じ動力を伝えるのにベルトより大幅に幅が狭く、エンジン幅の短縮に役立つ。チェーン駆動はベルト駆動より騒音が大きいのが欠点であるが、現在は小ピットのサイレントチェーンが開発され、この問題は解消している。

以上のようなエンジンのコンパクト化は、衝突安全の向上にも役立った。エンジンルームの両脇を前後に通るサイドフレームは太く平行になり、前面衝突時の衝撃吸収性を高めている。このように、エンジンのコンパクト化は衝突安全にも役立つ。

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