19日の公聴会の席上、フォードのジャック・ナッサーCEOは、自社のSUV『エクスプローラー』が安全であるとの主張をひたすら繰り返した。昨年8月の第一次リコール以来、フォードの主張と姿勢は何ら変わっていないことをアピールしている。
ナッサーCEOは「エクスプローラーは全米で最も安全なクルマである」と前置いた上で、「グッドイヤーも、ミシュランも、どこのメーカーであれ、エクスプローラーに装着されて問題を起こすタイヤはなかった。ところがファイアストンだけはダメだ。低い空気圧の設定をしないと乗り心地が悪くなり、走行安定性も失われていく。だから当社としては若干低めの空気圧を推奨したのだが、タイヤのドレッドの耐久性が悪く、それが結果として事故を招くことになった」と語り、問題はタイヤにあったという当初からの主張を崩すことはなかった。
フォードは公聴会の前に、共和党関係者にロビー活動を頻繁に行い、当日は議会の外で全米自動車労組のメンバーがエクスプローラー2000台を連ねてデモ行進を行い、「我々が作るクルマは安全だ」とシュプレッヒコールをあげるという、硬軟両面のアピールを続けていた。