気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年6月20日付
●自工会、フロン回収・破壊へ取り組み方針発表(読売・8面)
●米下院委公聴会、ファイアストンとフォードのタイヤ問題「首脳、安全性巡り対決」(朝日・12面)
●トヨタの鋼板調達で、NKKと新日鉄伸び、住金と神戸製鋼は後退(朝日・13面)
●中国、セーフガードの報復3品目、自動車業界など「輸出少なく影響ない」(産経・7面)
●福田官房長官「自分の公用車をCNG車に乗り換え」表明、低公害公用車の導入へ基準作成(毎日・3面)
●トヨタ、ハイブリッドシステム搭載の「クラウン」公開(毎日・8面)
●警視庁、交通事故防止へ「専従班」を設置、多角的に原因分析(毎日・29面)
●トヨタ、ホンダ「アジアカー」打ち切り、2003年にリッターカーを現地生産(日経・11面)
●日産、スポーツクラブをコナミスポーツに売却(日経・12面)
●富士重工、中国で汎用エンジンを 生産開始(日経・13面)
ひとくちコメント
東南アジア向けの低価格戦略車として開発したトヨタ自動車の『ソルーナ』とホンダの『シティ』の生産が2003年までに打ち切られる。きょうの日経が報じている。1500ccクラスの「アジアカー」は、トヨタ、ホンダなどが1997年前後に相次いで投入したが、その直後の通貨危機の影響を受けて販売が伸び悩み、当初計画した生産目標を大幅に下回っている。
それでも、現在の東南アジア市場はピーク時の約7割程度の水準で推移し、回復基調にあるものの、専用モデルを新規に開発するほどの採算は見込めないという。このため、トヨタ、ホンダは戦略の修正を迫られていたわけで、代替の車種としては、世界規模で量産する1000ccクラスの「ワールド・リッターカー」をタイとマレーシアで現地生産し、周辺地域にも輸出する意向。
東南アジアは、通貨危機というアクシデントに見舞われたとはいえ、車種を投入する時点で消費者の所得レベルなどを過信したことも否めず、ここでも変化対応型の経営判断が求められている。