【ASV成果報告会 Vol. 9】低価格化して全ての車両に設置しなくては無意味

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スズキは、二輪車と四輪車(軽自動車・小型車)という、運転特性の異なる二つの車両を販売している。これら二つの関連する事故は後を絶たず、双方の判断ミスが事故を引き起こすという要因になっている。

スズキは両方の車両を製造するメーカーとして「二輪車対四輪車の事故を減らす」ことが使命であると認識し、ASVプロジェクトにおいても二輪、四輪の双方でこうした事故を減らすための研究・開発を進めてきた。

特に力を入れて開発を行ってきたのが“二輪車存在情報提供装置”だ。二輪車と四輪車が関係する事故の多くは「小さな二輪車の存在を、四輪車のドライバーが見落としやすい」という点にある。また、二輪車ドライバーの多くも運動性能に過信しているということが挙げられる。このため二輪車が存在しているという情報を、四輪車側へ客観的に伝えて潜在的な危険性があることを認知させるという必要があると考えた。しかし、そのシステムが高価になれば、必要のないものとして装着されない可能性が高い。多くのドライバーは交通事故の危険性が身近に潜むことを認知しておらず、「自分だけは大丈夫」的な意識が強い。このために低額化を開発の念頭においた。

システムとしては、二輪車に小型発信機を搭載。発信機を設置した二輪車が接近してきた場合には、四輪車側の受信機がその信号を得て、ドライバーヘ二輪車が接近しているという情報を告知するという単純なものだが、それだけに低価格化しやすいという側面があり、この点では非常に将来性が高いと自負している。

実験結果も良好だったが、今後の課題としては各メーカーが同じ周波数帯を利用するという“システムの標準化”と、量産効果による低価格をさらに促進して、標準装着化を目指すことの二つが挙げられる。

《石田真一》

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