【ASV成果報告会 Vol. 6】さすがのコンピューターも目標を見失うとアウト

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【ASV成果報告会 Vol. 6】さすがのコンピューターも目標を見失うとアウト
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ホンダは歩行者から大型バス・トラックまでが混在する現実の交通社会において、クルマに乗っていない人までを含めた安全確保に力を入れてきた。

死亡事故の半数は歩行者などの交通弱者が関係しているということもあり、歩行者衝突軽減ボディなどの導入を積極的に進め、ASV計画ではそれよりも一歩踏み込んだ形でのさらなる安全対策に力を入れてきた。四輪だけではなく、二輪も製造しているメーカーだけに、それらを加えた形での予防・衝突安全技術を実用化するための研究を進めている。

今回の実験では、四輪と二輪を合わせて6タイプのASVを用意し、それぞれ異なる内容での研究・評価を行っている。特に力を入れてきたのがドライバー支援技術で、運転負荷を極限まで低減し、万が一、事故が起きた場合には受ける被害を可能な限り軽くすることを目標としている。

ASV開発で最も力を入れたのが“車線維持システム”で、CCDカメラからの画像処理によってセンターラインを識別し、現在走行している車線を維持するように電動パワーステアリング(ESP)を自動的にコントロールし、ドライバーのステアリング操作をアシストするというもので、車線から逸脱しそうなときには警報音とディスプレー表示で注意喚起を行う。高速道路での事故原因の25%は車線逸脱による衝突や接触であることから、この部分でのアシストは事故軽減に役立つと考えられている。

テストコースだけではなく、東北自動車道などでも試験を行った結果、システムの作動は完全で、ドライバーの疲労低減に役立つこともわかった。ただし、センターラインの白線が明白でない地点では目標を失中することもあり、コンピューターが誤作動を起こすケースもあった。今後はこの面での信頼性を向上するとともに、白線の品質を維持するというインフラ側の協力も必要不可欠であるという問題点も浮上した。

《石田真一》

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