走っている間にタイヤの表面がはがれ、事故になる、というのはファイアストンだけではない。1996年にラスベガス在住の女性がフォード『トーラス』で走行中にタイヤの表面がはがれ、このためコントロールを失って中央分離帯に激突する、という事故が起きた。
全身麻痺となったこの女性がコンチネンタル・ジェネラルタイヤ社を相手取り、損害賠償などを求める裁判を起こしていた。これに対し、ロサンゼルス地裁はコンチネンタルジェネラルタイヤ社に対し、5540万ドル(約68億円)の賠償命令を下した。
コンチネンタル側では事故を起こした『アメリテックST』というタイヤのすべてに設計上のミスがあった、とは認められなかったことに安堵しているが、事故の原因がタイヤという判定には控訴する予定だという。しかし今回のこの高額の賠償命令に、今後裁判が続くと思われるファイアストンはおそらくがく然としていることだろう。