中国で発生した三菱『パジェロ』のブレーキトラブル問題で、中国の検疫当局から指摘を受けた同社の現地法人は12日に無償修理を決定しているが、対象となった台数のうち、約半分は正規輸入されたものではなく、不正な手段で密輸された可能性が高いという。
三菱の現地法人が日本から輸入し、正規の代理店で販売した「V31」と「V33」の台数は3万5000台なのだが、実は中国にはそれよりも多い3万7000台あまりの並行輸入されたパジェロがあると言われている。並行といえば聞こえはいいが、中には盗難車を第三国から密輸したケースなど、不法な手段で持ち込まれたものもある。
本来、こういった並行輸入車は正規代理店が定めた品質保証対象には当てはまらず、三菱としてもリコールを行う必要がないのだが、中国の検疫当局は同社に対して「中国国内に存在する同型車の全てを対象にしろ」と迫り、国営を含む各メディアも「日本でクレーム隠しを行った三菱は中国国内でもトラブルを隠し、国民の命を危険にさらした」など、強い調子で報道を繰り返しており、ブランドイメージ保持のため、渋々これらのクルマも対象に含めることになった。