GM『プレセプト』、21世紀のグリーンカー

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先日テスト走行で80マイル/ガロン(38.82km/リットル)という驚異的な燃費を記録したハイブリッドカー、『プレセプト』がメディア試乗会を行った。この燃費には首を傾げるオートジャーナリストも多かったが、堂々と試乗会を行える程にGMは自信満々だ。

プレセプトはアメリカ政府がスポンサーとなって行った21世紀の低燃費の車の開発プロジェクト、PNGVによって開発された車の1台だ。このほかダイムラークライスラーの『ESX3』、フォードの『P2000』がある。しかし政府がかかげた目標値、80マイル/ガロンに到達することができたのは今の所プレセプトだけだ。

ディーゼルハイブリッドであるプレセプトの特徴は、ファーストとバックのギアがもともと設置されていないこと。つまり低速の走行ではトルクの大きいエレクトリックモーターのみで走行するように設定されている。これが燃費を改良するのに役立っている。

ところでPNGVのもう一つの特徴は、政府が後押しするプロジェクトだけに2万ドル(214万円)以下の低価格であること、ファミリーセダンの機能を十分に果たすこと、という条件があることだ。つまりホンダ『インサイト』のような2人乗りの車は認められない。プレセプトはこの面でも、5人がゆったりと乗れるだけのスペースが確保されている。ただしカーゴスペースはない。

プレセプトのインテリアはまさに驚きだ。車を軽量化するため、シートはなんとデッキチェアのようなメッシュ仕上げ。そのくせパネル部分にはラップトップとPDAが装備されている。

ところで製品化される可能性だが、2億5000万ドル(267億5000万円)という巨額を投じて開発された車であり、チタニウムやカーボンファイバーという高価な素材を使っていることから、政府の求める価格での販売はかなり難しいと思われる。しかし低燃費を実現するひとつの技術のショウケースとして、やはりプレセプトはアメリカの自動車の歴史の中で特筆すべき存在となるのは確かなようだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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