JR東海のグループ企業で、名古屋市周辺を中心に貸切バスの運行を行っている「中部交通」が、9月の東海地方集中豪雨で保有している車両の大半が水没、修理不能となったために「今後の経営存続は不可能になった」として、12月31日付けで自主解散する意向を明らかにした。
中部交通は1954年に設立。1987年の旧国鉄の分割民営化時にJR東海が出資し、グループ企業化された。名古屋圏を中心に貸し切り事業や、愛知県内の養護学校などへの送迎を中心に営業を行ってきたが、9月に東海地方を襲った豪雨のために保有車両の大半が水没してしまった。
中部交通の役員会は「修理に掛かる費用があまりにも莫大なことから、会社の存続は難しい」と判断し、従業員組合にも「退職金を払える年内までに解散したい」という意向を打診したという。
東海地方の豪雨の影響は甚大で、2日に建設省が発表した被害額算定では8592億円にも達しており、6日には被災した名古屋市内の菓子製造会社が銀行取引停止となっている。