9日、東京都はディーゼル車の排出ガス規制のための条例案の概要を固め、これを明らかにした。対象となるのは都内を通行するトラックとバスで、規制の開始は2003年10月を予定しており、PM(粒子状物質)の排出基準をクリアできないと判断されたクルマは走行が禁止される。
ただ、排出基準をクリアできない場合でも全てのクルマがただちに「走行禁止」となるわけではなく、新車登録から7年未満のクルマについては規制の対象外となる「抜け道」が存在している。
2003年の時点で7年ということは、1997年以降に新車登録されたクルマについては、規制開始後も1年間、そのままの状態で走行ができることになる。国の長期排ガス規定が適用されたのは1998年だから、それ以前の基準を適用したPMやNOxを豪快に撒き散らすクルマが生き残ってしまうことになるのだ。
これは運送事業者から「そんなに急には車両の代替ができない」と圧力が掛かったためとも言われている。商用車の平均使用期間は10年近くに達しているというデータもあり、7年で乗り換えを強要されることになるというなら、事業者の反発はさらに強くなるものと思われる。
また、この規制案に違反した事業者については、罰則規定として企業名の公表か、罰金を科すかのいずれかが選択可能だというが、名前を公表されることを不名誉と思わない事業者にとっては何の効果も発しないことも考えられ、強力だった規制案は最後の最後で腰を折られた格好となった。