ラスベガスで行われているSEMA(アフターマーケット、特装車メーカー協会)の展示会で、フォードが世界初の水素から直にパワーを得るタイプの燃料電池車プロトタイプを発表した。このクルマは量産車『フォーカス』のプラットフォームを利用したフォーカス『FCV』。
燃料電池の燃料となる水素は取扱いが難しい(高圧、低温、もれ)ため、現在の燃料電池車の多くはアルコールなどを燃料とし、改質器によってそこから水素を取り出すものが多い。
フォーカスFCVのパワートレインは電気自動車『TH!NK』のものを利用している。市販化は2004年の予定で、販売される車両には“Powered by TH!NK”のロゴがつけられるという。
発表されたプロトタイプはカリフォルニア州の燃料電池パートナーシッププログラムに利用され、燃料電池のデモカーとして活躍する。今後3年間で数台の燃料電池車をこのプログラムのために製作、走行実験を行う。
フォードでは1998年デトロイトショーで水素をエネルギーとする燃料電池車のコンセプト『P2000』を発表しているが、実際に使用される車両としてはこのフォーカスFCVが初の水素エネルギ−燃料電池車となる。フォードでは燃料電池技術を「ハイリスク、ハイリターン」ととらえており、未知数の技術だが自動車業界の将来をになう可能性は大きい、とコメントしている。