リコール隠し問題で揺れる三菱自動車だが、提携が決まっているダイムラー・クライスラーとの間で出資比率をめぐる問題が浮上、トラック・バス分野でのボルボとの提携も微妙な情勢になってきた。
ダイムラーとの提携合意では、トラック・バス分野は提携の範囲外となっている。だが、ダイムラーにとっては、アジアのトラック市場をいかにして確保するか、という課題が依然として残っており、アジアが得意な日本メーカーとの提携をまだ模索しているとみられている。
三菱にとって“虎の子”ともいえるトラック・バス事業は三菱の伝統として将来に確実に残したいという三菱の思いは強い。それだけに、先にボルボとの提携を決めておいたことは得策とみられていた。しかしダイムラーが出資比率を40%近くにまで引き上げれば、トラック・バス事業での提携を要求してくる可能性もある。
当時「ボルボとの提携により三菱のスリーダイヤモンドを残すことができたのは、河添社長の努力」(関係者)といわれてきたが、その努力も今回の一件で水泡と帰すのか?