三菱自動車工業が大量のクレーム情報、リコール隠しを行なっていた事件で、運輸省は早ければ今週中にもリコール隠しについて東京地裁に、クレーム情報隠しについて警視庁に告発する方針を固めた。両方とも道路運送車両法違反の疑い。自動車メーカーがリコールに関して刑事告発を受けるのは初めて。
同社は、リコール制度が開始された1969年から、実に30年以上の長期間にわたって、組織的にクレーム情報を二重管理して隠蔽を行ったり、運輸大臣に届け出せずに回収・修理するリコール隠しを行なっていた疑い。
クレーム情報隠しは運輸省に対する虚偽報告に当たり、最高で罰金20万円が課せられる。リコール隠しは、1件につき最高100万円の過料に処せられる。過料額は告発を受けた東京地裁が決定するが、運輸省は人身事故や、物損事故を起こした4件のケースについて、リコール隠しを行ったために事故につながったとして告発する予定。このため、罰金・過料の総額は高くても420万円にしかならない。
30年も隠しても、払う過料は三菱のフラッグシップカーである『プラウディア』の1台分にも満たないという額。こんなものだからリコール隠しが頻発するという意見も。