『YRV』は“ダブルウェッジスタイル”という特徴的なウィンドウを持つ。自動車のデザインではボディサイドのショルダーに上向き面を作り、それを前から後ろまで通すことで自動車を大きな一つのカタマリとして見せることが多い。下端が前後で段違いになっているYRVのウインドウは、そのためには邪魔になるのである。
「これには欧州車のテクニックを使いました。通常曲面にするショルダー面を平面にすることでこれを解決しました。モデラーは苦労したと思います」と藤林デザイン部スタジオグループ係長。ちょうどななめ後から見た時に、ドアのカットラインが「く」の字に折れて見える。この“折れ”がYRVのデザインをまとめる重要な要素と言っていいだろう。