ボルボを傘下に収めるフォードねらいは、新型『S60』によってボルボの年産台数を75万台に引き上げることである。そしてグループ内において、モデルチェンジ間近のフォード『モンデオ』と販売好調なジャガー『Sタイプ』との間のギャップを埋めることにある。
先代にあたる『S70』のボクシー・ボディから離れ、ミドルクラスのS60はクーペふうのスタイリングを見にまとう。デザインは社内。シヨルダーを強調したラインは大型の『S80』の流れをくみ、「四角いワゴン以外何も作らないメーカー」という定評の払拭に努める。
新デザインの主要エレメントは2003年登場予定の次期『S40』に強い影響を与えていると伝えられる。例をあげるとボディ埋め込みタイプのグリル、ボンネットのV字型レリーフ、寝かされたウインドスクリーン、丸いルーフライン、テールランプまで面が続くCピラーの造型、など。