運輸省は、禁煙タクシーに関する手続きを簡素化する。タクシー標準運送約款に禁煙タクシーに関する規定を加え、禁煙タクシーの営業について運送約款の変更手続きを不要にした。8月1日からの実施後は、禁煙タクシーが大幅に増える可能性もありそうだ。
これまで、タクシーの標準運送約款には禁煙タクシーに関する規定が無いため、タクシー事業者が、禁煙タクシーとして営業する場合、運送約款の変更をして、地方運輸局長の認可を受ける必要があった。申請には手間がかかる上に、認可が下りるのも時間がかかり、禁煙タクシーを申請するケースは少なかった。6月20日現在、法人21件、個人380件の禁煙タクシー化申請が提出されている。
運輸省では、タクシー車両の標準運送約款に禁煙車である旨を表示している車両は、運転者が旅客に対して禁煙を求めることができ、旅客がこれに応じない場合には、乗車拒否することができる旨の規定を加える。このため、タクシーに禁煙車と表示すれば、禁煙タクシーとして営業することが可能となる。
タバコを吸わない者にとってはありがたいが、喫煙者にとってはタクシーを選ぶ必要がある。そんな受難の時代がより進んだともいえそうだ。