大胆な計画!? 日産が新車開発システムの運用をIBMに業務委託

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日産自動車は今年10月から、新車開発や販売・生産管理など情報システム全般の保守・運用業務を日本IBMに委託することになった。契約期間は10年半。日産リバイバルプラン実行の一環で、情報システム関連子会社のニック(本社=横浜市西区)の株式をIBMに譲渡し、IBM主導により業務の標準化や統合を進める。これにより、情報システムの運用コストは年間30%以上削減できると、日産では見ている。

ニックは、日産コンピューターテクノロジー、日産情報ネットワーク、日産アイの情報システム関連の3つの子会社を合併して今年4月に設立した会社。日産の持ち株比率は現在68.6%となっている。ニックでは日産の情報システムの保守・運営のほか、日立製作所向けの業務も請け負っている。

日産は昨年10月、北米における情報システム業務をIBMにアウトソーシングしている。今回の国内業務の体制変更により、グローバル・レベルでシステムの標準化や統合化、集中化を加速する。これにより、日産の情報システム部門は新しいシステムの企画や開発に集中する。

日産は昨年度、グループ全体で800億円を超える情報システム関連投資を実施した。すでに、情報ネットワーク分野では日本テレコムとの協力関係を構築する方針を打ち出しており、今回の保守・運営業務のアウトソーシングと合わせて得られるコストの削減分は、今後の戦略的情報システム分野の投資に振り分ける考えだ。自動車業界ではマツダが昨年12月から、開発領域を除く情報システムの開発・保守・運営を日本IBMに委託している。日産のアウトソーシングは、自動車メーカーの生命線とも言える新車の開発分野のシステムも含んでおり、リバイバルプランの実行はまさに正念場を迎えている。   

《レスポンス編集部》

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