【トリノショー速報 Vol. 46】ストーラがカウンタックのデザイナーを起用した理由 | レスポンス(Response.jp)

【トリノショー速報 Vol. 46】ストーラがカウンタックのデザイナーを起用した理由

自動車 ニューモデル モーターショー

ストーラが技術力のアピールのために出展した『S81』コンセプトカー。「技術力のアピール」とか「技術開発会社」、「デザイン開発会社」などと言われてもピンとこない、説明してほしいと読者からEメールがあった。

まず1台のクルマが製品として成立するまでには、商品企画、スタイリング・デザイン(姿、形。いわゆるデザイン)、エンジニアリング。デザイン(設計)、生産設備の設計、といったようなプロセスが進む。実際はもっと複雑で、作業が並行したり反復したりするが。

よほどの大メーカーならこれらの作業をすべて社内でできるが、プロセスの一部や、少量生産の特別仕様車の開発などを社外の「技術開発会社」、「デザイン開発会社」に任せることもあるわけだ。商品ブランドをもつメーカーから見れば“下請け”にあたる。しかし開発における協力関係は最近ますます重要度を高めており、いまや“パートナー”と呼ばれるようになっている。

ストーラではメーカーのデザイン案を元にモデルやプロトタイプを作ったりしている。あるいは設計図からプレス成形、樹脂成形の金型を作ったり、さらには部品単位で生産の分担もしている。

ストーラは1919年創業の古いカロッツェリア(車体製造業)なのだが、ピニンファリーナやベルトーネと異なり自らはデザイン提案を行なわないことを特徴としている。ライバル関係にある複数のメーカーが同時にストーラと協力関係になることもあるわけで、アイデアの流出、あるいはその疑いを避けるためだ。これはピニンファリーナやベルトーネでも事情は同じで職業道徳上の信頼問題なのだが、ストーラの場合は昔ながらの黒子に徹しているのだ。

ただし縁の下で踏ん張っているだけでは人は実力を認めてくれない。新しいクライアント・メーカーの目に止まらなければならない。カロッツェリアや技術開発会社がモーターショーに自主作品を展示する理由がこれなのだ。過去にストーラはフィアット『バルケッタ』ベースのランニング・プロトタイプを出展したこともあったが、今回はモデリング技術をアピールするプラスティック製のフルサイズモデル『S81』を出展した。

前述したようにストーラにデザイナーはいないので、ストーラはショーカー開発のたびにフリーランスのデザイナーを起用してきた。S81のデザイナーはマルチェロ・ガンディーニ。彼についてはあれこれ言葉で説明するよりも、おもな作品を並べるだけで充分だろう。ランボルギーニ『カウンタック』、『ディアブロ』、ランチァ『ストラトス』、ルノー『スーパー5』、『マグナム』トラック、マセラティ『クアトロポルテ』……。
《高木啓》

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