5月19日付けの全国紙に、日産自動車の全面広告が掲載された。自動車事故対策センターが行なった前面衝突安全性能試験の、前席乗員の傷害試験結果を各メーカー並べたもの。第三者機関による試験とはいえ、刺激的な比較広告だ。
が、日産のすぐとなりに並べられたトヨタはあまり刺激されていない。同じ日にトヨタ『RAV4』が発表された会場で、RAV4のボディ設計を担当した笹部修・担当員に広告の感想を尋ねてみたところ、「ああ、あれですね。まあメ−カ−さん各社考え方がありますから」との返事。
「あの広告は前席乗員についての試験結果でしょう。そこだけの安全性を高めるならいくらでもできます。要はクルマ1台全体、そして外部まで含めたバランスです」
またトヨタはかねてから自動車事故対策センターによる安全ランク付けには疑問を持っている。現状の区分では2ランク異なるAAAとAとが接触しているのだ。メ−カ−間の競争は大いにけっこう。ただ基準達成のためだけの安全確認にならないよう、われわれ消費者は見守っていかねばならない。