規制緩和でD-GPSの測位誤差は1m……ちょっと“誇大広告”じゃない?

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「ITSはカネになる」と気づいたアメリカ政府は、GPS衛星を管理する国防省に対して、意図的に測位性能を落とすジャミング電波の停波を今月初旬から命じ、即日で実施する規制緩和策を公表している。

いっぽう 『ディファレンシャルGPS(D-GPS)』の名称で、GPSの精度向上サービスを行っている日本の衛星測位情報センターは、このほど「米政府の規制緩和で高精度化されたGPS電波をもとにD-GPSの実力を検証した結果、誤差が1mに縮まったことを確認した」と発表した。同センターは地上に設けた基準局でGPSの誤差を計算し、FM放送を通じて補正電波を発信している。カーナビの本体に「Gpex」と表示があれば、同サービスの対応機だ。

ただし「Gpex対応機のカーナビなら誤差が1m以内になるのか」と早合点してはいけない。センターが確認したのは静止状態での測位誤差。1997年のサービス当初の公称誤差は「歩行速度で1m、高速移動で数m」だった。高速移動中の測位が求められるカーナビは「精度が高まることは確かだが、マップマッチングやセンサーなど他の技術ともからむため、一概にどれだけ精度が向上するかはわからない」(センター)という。

センターでは前述のような強気のコメントを出して存在意義をPRする一方で、カーナビメーカーが「D-GPS受信機は要らない」と言い出すのを恐れているようだ。

《編集部》

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