イギリスGPからRA000Eエンジンの新バージョンを投入したBARホンダだが、今シーズン初めて2人のドライバーがいずれもチェッカーを受けられない結果に。ジャック・ビルヌーブは56周目シフト制御系のトラブルが発生しリタイア(16位完走扱い)、リカルド・ゾンタも37周目にスピン、リタイアする。しかし本田技術研究所マネージング・ディレクターの保坂武文は「性能が進化していることは間違いない」とあまり悲観していない。
レースではまたもジャックがロケットスタート、10番グリッドから7位に、さらにM. シューマッハーもパスして1周で6位にまで上がった。その後ラルフ・シューマッハーに抜かれたものの、すぐ後ろのM. シューマッハーにはコーナーで詰め寄られてもストレートで引き離す展開。
ジャックは33周目にピットイン、ピットアウト後7位まで復帰する。ところがその後ペースが伸びずゴールまであと4周、H. H. フレンツェンのリタイアで6位にいたが予定外のピットイン、レースを終えた。ギアボックスが誤作動するトラブルは予選から発生していたが、BARマネージングディレクターのクレイグ・ポロックは「完走への望みも持っていた」という。
ジャックは「ミハエルに抜かれる気はしなかった。ホンダの新エンジンには100%満足だ。トップグループとの差は確実に縮んできている」と、新エンジンを気に入っているようす。
一方のリカルドもスタートで15番グリッドから10位に上がり、27周目にはファーステスト・ラップ。ピットアウト後11位まで順位を回復したが、37周目ストウコーナーでスピン、リタイア。「完全に僕のミス」とリカルド。「アーバインとの差を詰めて、彼のピットインの間に抜くつもりだった」とも。
しかしポロックは「リカルドは走るたびに速さを身につける。先週のクラッシュの影響を感じさせない彼のスピードは賞賛できる」と満足との感想を述べている。