ハインツ・ハラルト・フレンツェン(ジョーダン)は先のサンマリノGPにおいて、わずか4周でギアボックス故障のためにリタイアした。が、今回に限りハインツ・ハラルトにとっては好都合だった。
それはタニア夫人が出産を控えていたからだ。実は先のブラジルGP決勝が予定日で、2週間、もういつ生まれてもおかしくない状態だったのだ。ハインツ・ハラルトはイモラ・サーキットからボローニャ空港へ直行、自家用飛行機に乗り込むと、最初の離陸枠でモナコへと飛び立った。
タイミングのいいことに、ハインツ・ハラルトが自宅へ着いて数時間後の日曜日深夜に陣痛が始まり、ハインツ・ハラルトは自らクルマを運転して夫人を産院まで送った。そして月曜日午後12時50分、タニア夫人は無事女児を出産した。ベイビーはレアと命名された。「ママに似て美人だよ」とハインツ・ハラルト。おめでとう。