【GM=フィアット提携】やむにやまれぬフィアットの事情

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フィアットオートは、最近でこそアルファやランチアの新型車がヒットして黒字になったが、ヨーロッパ市場でのシェアを落とし続け現在は11%にすぎない。イタリア国内でもかつてシェア60%を誇っていたが現在は39%となっている。ヨーロッパでのシェア復活は課題だ。

またGMのジョン・スミス会長兼CEOは「GMは世界戦略を強力に押し進めている。フィアットのような大規模で、また技術力のあるメーカーとの提携は、GMにとって鍵となる市場、すなわち欧州と南米での事業に大きな力となる」と語っている。フィアットはすでに南米では大きなプレゼンスを獲得しているのだ。

価格競争の厳しいヨーロッパと、将来の拡大が期待されるラテンアメリカ市場は、利益幅の小さい小型車が人気の市場だ。そこで利害の一致した2社が、規模の拡大により経営の効率化を図るため提携することになったと考えられる。ルノーが日産と戦略提携を結んだことも、フィアットにとっては刺激になったようだ。

フィアットの提携相手としてはダイムラー・クライスラーが有力視されていた。経営全権を握ろうとしたダイムラー・クライスラーを、現在もフィアットSpAの株の30%を所有するアニエッリ家が嫌ったと伝えられる。フィアットはダイムラー・クライスラーの株式12%の所有を希望したという。最近のフィアットは表向き単独での存続を主張してきたが、GMとは1年ほど前から接触してきたという。ただ株の持ち合いという形で提携が具体化したのはここ数週間のことだそうだ。

過去10年くらいにまでさかのぼればフィアットの提携話はいろいろあった。相手はシトロエン、これが転じてクライスラー、さらにルノー、フォード・ヨーロッパ。昨年はボルボとの提携に失敗したが、トラック部門の提携をフィアットはまだあきらめていないようだ。

なおGMとフィアットは韓国のデーウ(大宇)の買収で競った仲であることも、アジア市場の動向という点で注目のポイントだ。またPSAプジョー-シトロエン・グループとは、現在もミニバンを共同生産している。
《高木啓》

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