クルマを組み上げてゆく上で、個々の要素部品を個別に組み付ける従来のやり方に代わって、「モジュール化」が今のトレンド。つまりダッシュボード全体とか、ドア内張りと内部機構、あるいは電子・電気部品でも、一体に集約できるものをあらかじめ組み立ててモジュールにしてしまい、それをクルマの組み立てラインに送って一発で組み上げるという手法。
とくにインスツルメント・パネル=ダッシュボードなどは、大物部品であるというだけでなく、内部にメーター、空調ユニット、スイッチ多数とそれに付随する電気・電子回路などを持ち、しかも車体骨格の一部としての剛性・強度も必要。だから、これをモジュールとして設計・開発・製造する部品メーカーは、複数の分野を専門的にカバーしながらモジュール全体をまとめ上げ、クルマ全体のデザインや開発作業にまで加われる能力を求められるようになった。
内装関係では世界有数の部品メーカーであるリア・コーポレーションは、今回モジュール化をさらにもう一歩進め、ダッシュボード内部の骨格は共通化したうえで全く異なるデザイン、材質のインパネを作り分けることができる、というコンセプトを打ち出した。
さらに同社が得意とする内装全体---インパネ、シート、ドアトリム、オーバーヘッド・コンソール、荷室などの仕様を、ユーザー自身がインターネット上で自由に選んで組み合わせて「自分だけのデザイン」を作り、そのオーダー通りに組み上げるアイデアをデモンストレーションした。