【SAEレポ Vol. 1】燃料電池はクリーンエネルギーではない!!

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【SAEレポ Vol. 1】燃料電池はクリーンエネルギーではない!!
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SAE(アメリカ自動車技術者協会:日本の自動車技術会も範をとった、技術学会。技術基準の制定も行い、航空関係まで包括する)の年次総会、SAE world congress & exhibitionが、現地時間6日からデトロイトのコボ・ホールで開催されている。

基本的には学術講演会であり、世界各国の自動車や部品のメーカー、大学や研究機関から、今年も1370編もの論文が集まっているが、そのリストのトップに掲げられているのは燃料電池(Fuel Cell)のセッションであり、2日間に渡って27編の論文講演・討議が行われた。世界的に、自動車用エネルギーとして実用化への動きが急であることをうかがわせる。

ここで注目すべきは、燃料電池の実用化に関わる技術者、研究者の中では、もはや水素(H2)を液化、あるいは吸蔵合金などに保存して搭載し、酸素(空気)と反応させる方法は、非現実的だという考えが主流になってきたこと。いうまでもなく水素は極低温でないと液化しないし、ガスの状態では爆発的な燃焼を起こしやすく、また分子量が2しかないため容器のバルブなどを簡単にすり抜け、保存が困難だ。

ならば何を燃料に使うのか。アルコールや天然ガス、ガソリン、軽油など、水素が炭素と結びついた形で安定して存在する物質(液体)である。これら炭化水素を「改質器」に通して水素を分離、炭素のほうは空気中の酸素と反応させて、CO2として排出する。

その過程では反応できなかった炭化水素やCOも排出されうるし、それを処理するために燃焼させればNOxも生ずる。つまり、内燃機関が炭化水素を燃焼させた熱エネルギーを運動エネルギーに変えるのに対して、燃料電池は化学反応によって電気エネルギーを取り出すもの、という考え方だ。その意味で燃料電池は、日本のマスメディアが無邪気に書き立てる「クリーンな夢のエネルギー」にはならない、のである。

しかしこれからの時代、エネルギー転換効率を高めてCO2の排出量を減らし、同時にエネルギーの多様化を目指すためには欠かせない、と皆が考えているわけだ。これまで水素燃焼エンジンに熱心だったBMWも、ついに燃料電池の開発を本格化させるようで、デルファイ・オートモーティブ・システムズと組むことを明らかにした。
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