カルフォルニア州の高速道路に導入されるバリアフリー緊急電話、その名も『イエス・ノー電話』

自動車 社会 社会

カリフォルニア州では、サンフランシスコ近辺を中心に高速道路上に設置された緊急電話を徐々に耳や口の不自由な人向けのものに置き換えている。これは1月に始まったパイロットプログラムの一環で、2000年1年間テストケースとして行われ、その後州全体に広める予定。

最近では携帯電話の普及が広まったため、事故などの際に高速道路に設置された緊急電話を使うケースは減っている。しかし耳などの不自由な人にとっては携帯電話も使えず、緊急電話も使えない、というまさに不自由な状態が続いていた。これを改善するため、今回「イエス・ノー電話」と呼ばれるシステムを導入した。

この電話は、3つのボタンからなっている。1つめは従来通りの声によるコミュニケーションで、受話器を持ち上げるだけでハイウェイパトロールに直接つながる。耳、口の不自由な人は2つめのボタンを押す。そして英語かスペイン語かを選択すると、液晶画面に「救急車」「消防車」など必要なものが表示される。ドライバーは必要と思われるものにイエスボタンを押し、救援を頼むことができる。コミュニケーションが取れた段階で、ドライバーは文字表示によって「その場で待機」などのメッセージを受け取る。

パイロットプログラムが成功すれば、システムはカリフォルニア州ハイウェイパトロール、カリフォルニア州交通局などの協力を得て州全体の高速道路に導入される予定だという。またイエス・ノー電話を導入するための資金は、州内のドライバーの車両登録費用に1ドルを上乗せすることで得られる。

現在アメリカでは事故追跡システムやオートPCなどの普及が始まっているが、まだ全車両がこうしたハイテク装置を搭載するには時間がかかる。多少レトロな感じはしないでもないが、こうした地道なバリアフリーを州内の全ドライバーの負担で行っていく、という姿勢もまだまだ大切なようだ。

《Sachiko Hijikata, US Correspondent》

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集