富士重スズキが資本提携へ、GM3兄弟が協力しあう

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富士重工業とスズキは10日、軽自動車事業を中心に開発、生産をはじめとする幅広い分野で業務提携すると発表した。両社がそれぞれ100億円規模の資金で、株式の持ち合いを行う。

両社は95年から、スズキの軽自動車用3速ATを富士重に供給、富士重の小型乗用車用CVTをスズキに供給、ハンガリーのスズキ生産拠点から小型乗用車「スイフト」を富士重に供給(欧州名=ジャスティ)−−などの協力関係にあった。

今後は部品の共通化から共同事業の展開を開始し、徐々に、提携範囲を広げていく考えだ。ただ、販売面では独自性を維持し、「お互いに切磋琢磨で競争していく」(スズキ・鈴木修社長)ことで「スバルの軽自動車開発はやめない」(富士重・田中毅社長)と明言した。

富士重は同日、米国GMとの資本提携を発表しており、スズキとの提携も「GMからの提案に基づいたもの」(田中社長)だ。「株式の持ち合いは、GMグループとして親戚関係になった象徴、証し」(田中社長)としているが、富士重株の20%、スズキ株の10%を保有することになるGMの影響力の大きさがうかがえる。

すでにGMはスズキのほか、いすゞ自動車とも資本提携関係にある。富士重といすゞは米国で合弁生産拠点をもつ協力関係にあるが、一部には富士重が欧州でいすゞからディーゼルエンジンの供給を受けるのでは、といった見方もある。

長引く不況と極端な国内販売の不振の中で、世界最大の自動車メーカーGM傘下の富士重、スズキ、いすゞの日本メーカー3社は当面、GMの世界戦略に揺れ動かされることになりそうだ。

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