運輸省ナンバープレートの電子化検討具体化へ、国民移動監視体制強化の恐怖

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運輸省は、自動車のナンバープレートの活用について具体的な検討を開始した。ITS(高度道路交通システム)の普及に備えたナンバープレートの電子化などを検討するが、従来のナンバーの情報だけでなく、保有者の名前や性別、生年月日など様々な情報を組み込めるだけにプライバシーの問題もある。このシステムを利用すれば、誰がどこにいるかも分かり、警察庁が監視に利用する恐れもある。

今年4月から全国の陸運支局で、希望する番号が基本的に選べる希望ナンバー制がスタートした。しかし、ユーザーニーズや社会ニーズが多様化しているため、運輸省ではさらにナンバープレートのあり方を検討していく。

具体的には、ナンバープレートの色や文字、そして電子化だ。ナンバープレートの形については、アメリカや欧州など、諸外国と統一する動きがあるため、まずカラーや文字についてバリエーションを増やすことを検討する。カラーを増やすとともに、文字に英字やカタカナを入れて、希望ナンバー制の普及を図る方針だ。

また、電子化も検討していく。電子化はナンバープレートにICチップを埋め込み、これを道路に設置した受信機が読み取ることで、ITSなどに活用することを考えている。ICチップにはかなりの容量で情報を埋め込むことができる。運輸省の説明によると身体障害者の割引などに使えるとしている。

しかし、ICチップには、個人のプライバシーにかかるデータも入力できる。例えば、保有している人物のデータや住所、電話番号から家族構成まで。運輸省がこれらの情報を何に使うかははっきりしないが、実用化された場合に警察庁がこれ利用しない保証は全く無い。

すでに、Nシステムなどによってクルマの移動をすべて監視しようという警察庁。ICチップには、やろうと思えば過去の犯罪データも入力できるのだし、例えば何の集会に誰が参加したかも、自動車の移動を伴えば容易に割り出すことが可能となる。

神奈川県警の一連の不祥事で警察の危険性が明らかになった。警察が暴力団と付き合いのあった一般市民を脅すようなことが、容易に起こる可能性もある。つまり導入されれば、警察が目指すであろう国民総監視体制の完成に向けて大きな一歩を踏み出すことになる。

《レスポンス編集部》

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