【東京ショーD視点 Vol. 10】ダイハツYRVのデザイン・トリック

自動車 ニューモデル モーターショー
デザイナーに好評だったのが『YRV』。市販されれば日産のキューブやトヨタのラウム、スパシオ、ホンダのキャパ、自社のパイザーなどと競合するスペース・ユーティリティ系のセダンなのだが、スタイリングはダイナミックなホットハッチふう。背の高いクルマをスタイリッシュに見せているということでプロのデザイナーの評価を得たのだ。


その種明かしは...
1. ウエストライン(サイドウィンドウ下端のライン)を段違いにしたこと。YRVのフロントドアのウエストラインを後方に延長するとリアドアはパネルばかりになる。リアドアのウエストラインを前に延長するとフロントドアはガラスばかりになる。1本に通すとウェッジシェイプにならない。

2. リアコンビランプを大きめの三角形にしてリアビューに安定感を持たせたこと。いずれも定石といえば定石なのだが、仕上げがうまいのだ。

YRVは量産間近との印象を見る者に与える。しかしトヨタとの提携を強化し軽自動車メーカーに特化しつつあるダイハツがYRVのようなクルマを市販するとは考えにくい。ところがYRVのプラットフォームはストーリアのものを使っている。そのストーリアは軽自動車のプラットフォームをベースにしている。1ℓか800cc程度のエンジンを搭載して、発展途上国向けにヴィッツより小型の、トヨタ・グループの戦略車種としてデビューするかも知れない。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集