GM、インターネットのビジネスグループ“e-GM”を新設

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米ゼネラル・モーターズ(GM)は、インターネットのビジネスグループ“e-GM”の新設を、日本で発表した(20日)。米国で8月にすでに発表していたが、今回、日本での取り組みについても言及した。まず、GM車購入に関する検索サイト“GMBuyPower”の日本語版を今年末までに、サターンと組んで立ち上げる。顧客が購入した車などの流通については、ヤナセとの関係を深める。

この事業において、いすゞ、スズキとの現在の提携を基盤とする。製造面でも、この両社との関係を活用する。

米国で既に始まっている、衛星通信を用い、音声認識技術を駆使した統合サービス“OnStar”の日本でのサービス開始は、衛星の確保の問題があるため、2年ほど先になる見込み。“OnStar”には、インターネットを通じて車からホテルやレストランの予約を実行するコンシェルジェ・サービス、緊急時にユーザーがボタンを押したり、あるいは、エアバッグが作動したときにGM側から呼び掛け、返答がなかったりしたときに、救急車を呼ぶなどするエマージェンシー・サービス、鍵を車内に忘れたときに衛星からの遠隔操作でドアを開けてくれるリモート・ドア・アンロック、ガス欠や路肩乗り上げのときに救援してくれるロードサイド・アシスタンス、近くの現金支払い機やガソリンスタンドを探してくれるルートサポート、車が盗まれたときに位置を追跡するセフトプロテクションなどからなる。

OnStarのサービスを受ける費用は、工場出荷時の装置設置料と初年度サービス料とが合計300〜500ドル、2年目からの会費が月額20〜30ドルである。米国では現在、7万5000人が参加しているが、2000年末までにこれを100万人にするという。

GMのバイスプレジデントで、e-GM社長のマーク・T・ホーガン氏は「e-GMをテコにして、現在、日本で2〜3%の販売シェアを10%まで持っていく」と決意を語った。


「2000年以降、衛星ラジオ、衛星テレビのサービスも始める」とホーガンe-GM社長

e-GMは、GM全体の帰趨(きすう)を占う重要プロジェクトであると記者(中野)は判断する。ソニーは、家電、AV機器におけるブランドへの信頼感を基礎に、音楽、映画などコンテンツ分野に進出し、さらにソニー生命、so-netのインターネットプロバイダーサービスなどサービス分野に手を広げた。ゼネラル・エレクトリック(GE)も、家電から始まり、金融、メディア複合企業に変わった。GMが同じ方向を向いているのは、ほぼ間違いがない。

車の中は、完結した世界で、その時間を囲い込むことができ、ブランド信頼感が醸成される。ホーガンe-GM社長自身、現行で走行している8000万台のGM車に、ユーザーが毎日1時間、2時間、乗り続けていること自身が、“メディア”なのである、と語っている。GMは既に金融に進出し、DirecTVに出資している。家庭生活、娯楽、セキュリティー、通信を含めた消費者向け総合コンテンツプロバイダー兼サービスプロバイダー業への道を、ひた走りに走るのは、確実である。

ホーガン氏のインタビューの詳細は、auto-ascii24に掲載する予定である。

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