通産省資源エネルギー庁は、98年度のエネルギー需給実績の速報値を発表した。自動 車など運輸部門のエネルギー消費量は前の年度に比べ1.1%増えたものの、伸び率は不況の影響もあり過去5年間で最低だった。
だが産業部門が3%減と6年ぶりのマイナスに転じたのにたいし、運輸部門のエネルギー消費はこの不況のなかでも依然として増加基調を維持。運輸部門は、エネルギー消費により排出される二酸化炭素量の25%を占めるだけに、改善の余地も大きいものとみられ、さらに対策の上乗せを求められる可能性もある。
政府は2010年の新たな燃費改善目標を定めたが、今後は都市部の渋滞解消や交通の分散化、あるいは燃料への課税を増やすなど多面的な対応によって無駄なエネルギー消費を抑えていくことを政府や自治体が真剣に検討する必要があるだろう。